江戸川からボスポラス海峡へ

幼き頃下町で育った私にとって、
大河と言えば「江戸川」でした。
江戸川の向こうの異国(千葉)に思いを馳せていたあのころ、
遥か遠くにトルコという国があるなんて知りもしなかった・・


しかし私は今、何の因果かトルコにいます。
目の前にあるのは江戸川ではなく
アジアとヨーロッパを隔てるボスポラス海峡
時刻はまだ夜明け前。
イスタンブール2日目の朝です。


僕は旅に出ると興奮してしまい、いつも早く起きてしまう。
また江戸の下町っ子は意味もなく水を求める習性があるため、
目覚めた僕は早朝の海峡まで無意識のうちに歩いてきてしまったのです。



夜明け前のボスポラス海峡


赤みを帯びた青い空がどこまでも広がり、とても美しい。
じっとしていられなくなり、思いつきでフェリーに乗船することに。
電光掲示板の行き先はユスキュダルと書かれているが、どこなのかよくわからない。
とりあえず今いるヨーロッパ側から対岸のアジア側のどこかへ着くらしい。
よし乗ろう!



フェリーに乗って、アジア側へ


乗船者は少なく、地元の人がちらほらいるだけ。
皆眠そうな目をまだ暗い海に向けている。


こんな朝早くヨーロッパ側からアジア側に用事のある人などいないだろう。
用事さえなく乗っているのは、自分のような旅人だけ。
電車で言うと、朝の下り列車に乗っている場違いな感じだ。
きっと逆のヨーロッパ行きのフェリーだと通勤客が多いのだろうなと考えた。



アジア側の夜が徐々に明ける


初めて渡るボスポラス海峡は広く、まさに海そのものでした。
ここで15世紀、トルコ軍とビザンツ軍が戦ったのだと実感しようとしたが
なかなかイメージできない。とりあえず遠い目をして、海を眺めてみる。
自分が今世界史の重要な舞台にいると思うと感慨深い。


15分ほどでアジア側の港町ユスキュダルに到着。
港に下りると、目の前にキオスクのような店があった。
地元の人が集まっています。



まだ薄暗いキオスク


僕の犬並みの嗅覚が何かを捉えました。
近づいてみると、焼きたてのパンが売っています!滅茶苦茶美味しそう・・
パン好きの僕としては、迷わずここで朝食をとることに。



キオスクで売られているパン


早速パンとチャイ(トルコ紅茶)を注文。
こうやって見知らぬ港町で地元の人に交じって朝ごはんを食べているとき
「旅」を強く感じます。観光地にいても、この気持ちはわきません。



出されたパンとチャイ


パンは素朴な甘さ。温かなチャイと共に空腹な胃に沁みました。
朝食後、港町近くのモスクや街並を見て回りました。



港町の小さなモスク



モスクにいた美猫。


猫ハンターの僕としては、猫がいたらついついカメラを向けてしまいます。
かなりの美人猫ですね。トルコは猫多いなぁ。
そういえば猫が多いギリシャもトルコのお隣り。
エーゲ海沿いの国は猫が多いのだろうか。江戸川にも多いですけど・・



釣りをする子供たち


何が釣れるのか分かりませんが、トルコ人は皆釣り好きです。
ヨーロッパ側の港でもサバのサンドウィッチ売ってましたし。
おかげで港沿いは少々魚臭い。。


しばらく歩いてから、
またフェリーに乗ってヨーロッパ側へ戻りました。
ホテルへ戻ったときにはすっかり夜が明けていました。
でも朝から大陸横断できるなんて、まさにトルコならではですねぇ。
さて、今日はどうしよう・・。